4月19日(日)〜4月25日(土)の出来事

・日弁連、少年審判に検察官の出席認める方向へ方針転換
・教科書検定訴訟。検定意見一部に違法性を認め国に損賠命令
・いじめ実態の調査報告。森田洋司・大阪市立大教授の研究グループ。

新聞、テレビなどを見ていて、気になったニュースをメモしたり、まとめたものです。
詳細については、各新聞社のページ等をご覧下さい。
・4/21(火)・・・・日弁連、少年審判に検察官の出席認める方向へ方針転換
 
 少年審判の在り方についていろいろと話題になっています。正直難しいところもあり、僕もよくわかりません。
 ただ、今回のニュースでは
 「日本弁護士連合会の執行部が、少年が非行事実を否認している事件に限って検察官の出席を認めたり、必要な場合は複数の裁判で審理を行う裁定合議制を採用するなどの議案を理事会に提出した。」とのことです。これは、
 1996年11月から始まった法曹三者の意見交換会で最高裁が、少年側が非行事実を争い、事実認定が困難になった場合の対策として
 (1)裁判官1人で審理する現行制度に加え、裁定合議制の採用
 (2)検察官の出席
 (3)少年の身柄拘束期間の延長
 (4)現行法では認められていない検察官の抗告権を認める

 という提案を受けてのもの。
 
 日弁連は意見交換会で、「成人の刑事裁判に準じた形で少年側の権利保護規定を設けることなどを主張する。また、身柄拘束期間の延長や検察官の抗告権については反対姿勢を貫く方針」ということ。
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・4/22(水)・・・・教科書検定訴訟。検定意見一部に違法性を認め国に損賠命令

 「横浜教科書訴訟」の判決が22日午前、横浜地裁で言い渡されました。
 この裁判は高校生用の現代社会の教科書をめぐり、文部省に検定意見で修正を強要され執筆を断念、表現の自由を侵害されたとして、高嶋伸欣・琉球大教授(56)=沖縄県浦添市・元横浜市在住=が国に100万円の損害賠償を求めた裁判です。
 慶田康男裁判長は検定制度について合憲の判断をしたものの、検定意見の一部に違法性を認め、国に20万円の賠償を命じました。

 検定制度について、家永訴訟1次訴訟最高裁判決(93年3月)を踏襲。
 「国が子ども自身の利益の擁護のため、あるいは子どもの成長に対する公共の利益と関心に応えるために、教科書検定制度を実施運営することは相当であると考えられる」と判断しました。
 実際の検定作業で、文部省の教科書調査官が執筆者側に検定意見を伝える際、文書では概括的な指摘事項一覧表を示すだけで、具体的な内容のほとんどを口頭で行っている手続きについても「告知・聴聞の手続きが不備であるということにはならない」とし、「手続きが不確実で表現の自由を保障する憲法に違反する」という高嶋教授の訴えを退けました

 文部省側が検定意見で修正などを要求した記述4カ所のうち2カ所については高島教授の訴えを認めました。
 その2カ所というのは、
 1) 「ペルシャ湾への掃海艇派遣問題」に関する記述。
  調査官・・・・「派遣を決めるに当たり、東南アジアの意見も聞かなければならないような記述は少し低姿勢ではないか」  判決・・・・「どのような検定基準にあてはめたか不明」と判断。
        「個人的感想を述べただけで検定意見ではない」という文部省の主張を退けた。
           (↑こんな言い方よくするなぁ、と思ってしまったのだが)
 2)「福沢諭吉の脱亜論」をめぐる記述で引用された勝海舟の「氷川清話」
  調査官・・・・「都合のよいところのみを抜き出した」
  判決・・・・「勝海舟の思想、考え方の学説状況に対する判断を誤った」

 残る二つの争点については文部省側の主張を認めました。
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・4/23(木)・・・・いじめ実態の調査報告。森田洋司・大阪市立大教授の研究グループ。

 調査は森田洋司・大阪市立大教授(教育心理学)が代表の研究グループが、いじめの実態を国際比較するために全国の222校の小学5年〜中学3年の児童・生徒や保護者、教師ら計1万5915人を対象に、昨年1月に実施したもの。

 子どもがいじめに遭っていることを知る保護者は3割。
 子どもがいじめていることを知る保護者は1割。

 
 1996年度の2学期の間にいじめに遭った経験は小学校18%、中学校12%であり、全体では14%。
 いじめ被害に遭ったと答えた子供のうち、保護者もいじめを知っている「認知率」は28%。
 子ども側から見ると、いじめられた子どもの46%が「保護者は知っているだろう」と考えいる。
 学級担任の47%がいじめの事実を知らない。
 いじめた子どもの保護者の認知率はわずか7%


 いじめられた子供が、いじめの事実を話した相手
 (1)友達45%  (2)保護者29%  (3)担任の教師23%   「だれにも言わない」は3分の1

 いじめの事実を知った保護者の対応を子どもに質問
 学校に話したのは48%だが、そうした結果、子どもの6割がいじめが解消したり、少なくなった。

 「保護者にむかつくか」
 全体で68%の子どもが「よくある」「時々ある」。
 小学生では58%がむかついた経験があり、いじめている子どもは72%とむかつきの割合が高い。
 教師に対しても59%が経験がある。

 いじめられた子どもへの質問
 いじめ頻度は「2学期中に1、2回」が58%。
 いじめられた期間も「1週間以内」が46%。単発型が多かった。
 「週2〜3回以上」のいじめに遭っている子どもの約7割が「1年以上」など長期型。

 いじめた相手
 クラスメートが8割。
 いじめられた子どもが相手(加害者)を友達と思っていた例が48%
 場所は75%が教室。
 他のクラスメートはいじめの事実を知らないだろうと33%の子どもが考え、先生も知らないと47%が回答


 米、英、オランダ、ノルウェーと日本の5カ国で共通の質問内容で調査しており、今年度中に国際比較した結果をまとめるとのこと。
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